遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

潘基文 国連事務総長

2016年12月10日
私はこの10年間、国連事務総長として、平和、持続可能な成長、人権という国連の3本柱が相互依存関係にあることを繰り返し強調してきました。これらは一体となって、包摂、正義、そして法の支配に根差す、強靭でまとまりのある社会の基盤を形成するものだからです。

私はまた、人権が国連の活動とアイデンティティーの中心にあることも強調してきました。この理解は、私たちの「Human Rights Up Front(人権を最優先に)」イニシアティブの核心をなすものでもあります。

紛争が多発し、人道ニーズが高まり、ヘイトスピーチが台頭する今の時代に、世界人権宣言は「人類社会のすべての構成員の平等で譲ることのできない権利が、世界における自由、正義および平和の基礎である」ことを私たちに改めて認識させてくれます。私たちは一歩ずつ、平等と人間の尊厳という共有の価値に基づく未来を構築することができるのです。

この精神に基づき、私たちは最近、多数の難民と移民が直面する排外主義と闘うため、「TOGETHERキャンペーン」を立ち上げました。それはまた、私たちが過激主義に対抗し、国際人道法に対する尊重を軽視する流れを食い止め、市民社会団体がその不可欠な役割を果たせなくすることをねらいとした措置が厳しさを増していることに対し、これら団体を擁護するために、私たちが必要とする精神でもあります。

人権の擁護は、すべての人にとって利益となります。人権の尊重は、それぞれの個人の福祉、それぞれの社会の安定、そして、相互につながりを強める私たちの世界の調和を前進させます。

また、この活動はあらゆる人が、社会のあらゆるレベルで実行できます。国家には、人権を擁護する第一義的な責任があります。国連は、全世界のパートナーとともに、人権侵害への対応の強化を続けるとともに、人権危機の予防に向けた活動を改善しなければなりません。

私たちには、周囲の人々の人権を前進させるため、日常生活で行動を起こす能力と義務があります。それは、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が立ち上げる新たなグローバル・キャンペーン「スタンド・アップ ~今日、誰かの権利のために立ち上がろう~」の原動力にもなります。

私たちは誰でも、地域や学校、職場、ソーシャルメディア、家庭、さらには全世界のスポーツ競技場など、あらゆる場所で、人権を守るための変革を起こすことができるのです。

誰かの権利のために、一緒に立ち上がろうではありませんか。今日も、明日も、そしていつの日も。


■ 潘基文
第8代国際連合事務総長。大韓民国出身。第33代大韓民国外交通商部長官。第11回ソウル平和賞受賞。