遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

石渡明 前原子力規制委員会委員

2024年11月18日
原子力規制委員会を9月に退任した石渡明前委員は、原発や地震、津波などの自然災害対策を担当し「日本は、自然災害が起きやすい。原子力には、特に厳しい規制が必要だ」と述べた。

自身が携わった日本原子力発電敦賀原発2号機の新規制基準への適合性審査では、規制委員会が13日正式に「不適合」と決定した。石渡前委員は、論点を原子炉建屋近くの「K断層」に絞り、現地調査も2回行ったとした上で「時間を節約したということはない。審査には十分時間をかけた」と強調した。

新規制基準を初めてクリアした九州電力川内原子力発電所1・2号機を例に、設置変更許可後、2016年4月に発生した熊本地震(M7.3)の経験などを踏まえ、自然ハザードへの対応に関し「不確定さが大きい」と述べた。新たに得られた知見に対し、現行の規制要求でも満足することを確認する「バックフィット」の重要性を指摘した。

1月の能登半島地震については、関東大震災や1891年の濃尾地震に匹敵する規模だったと指摘した。8月の現地調査を振り返り、4mもの隆起があった地盤変動に関し「関東大震災の隆起1mに比しても非常に大きな地殻変動。こんな状況を生きている間に目にするとは、思わなかった」と強調した。今後の原子力規制行政に向け「安全対策として、志賀原発や他の原発に取り入れる必要がある」と述べた。


■ 石渡明
81年東京大学大学院理学系研究科地質学専攻博士課程修了、理学博士、東京都立明正高等学校定時制教諭(地学・生物・化学担当)、82年パリ第8大学構造地質学科助手、86年文部教官採用、母校金沢大学理学部地球学教室助手、88年同講師昇格、92年同助教授昇格、03年同教授昇格、04年金沢大学理学部地球学科学科長、08年東北大学東北アジア研究センター基礎科学部門地球化学分野教授、東北大学大学院理学研究科地学専攻岩石地質学講座教授兼担、12年日本地質学会会長、14年東北大学退職、環境省原子力規制委員会委員、09年度日本地質学会賞受賞、14年米国地質学会(GSA)フェロー選出、24年環境省原子力規制委員会委員退任。