遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

フィリッポ・グランディ 国連難民高等弁務官

2024年11月29日
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のフィリッポ・グランディ高等弁務官は、レバノンで交戦していたイスラエルとイスラム教シーア派組織ヒズボラが停戦に合意したことについて「戦争が、終わったわけではない。停戦が長く続くよう、状況を注視する必要がある」と訴えた。 

グランディ高等弁務官は「驚異的な数の人々が犠牲となり、1万人以上が避難を強いられる事態に陥っている。中東地域は、これ以上の難民危機に対処できる余裕がない。さらに多くの人々が家を捨てざるを得ない状況は、避けなければならない」と訴えた。UNHCRによると、この数は今年5月時点で過去最多の推計1億2千万人に達し、減る兆候はみられない。

UNHCRは、シリア赤新月社などのパートナー団体と協力し、レバノンから国境を越えて避難を強いられた民間人に対して、シェルターの提供や医療、心理社会的ケアも行える体制を整えている。

現在、レバノンはシリアから約150万人、その他の国々から1万1千人以上の難民を受け入れている。しかし、2023年の地震と長期化する紛争により、主要なインフラが破壊され、何百万人もの人々が支援を必要としている。

グランディ高等弁務官は、開発支援組織と人道支援組織が協力して、支援を持続可能なものにしていく必要性を訴えた。なかでも、民間部門が寄付だけでなく、雇用や技術、知見を提供する「パートナー」の重要性を強調した。


■ フィリッポ・グランディ
88年国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)事務所入所、96年UNHCRコンゴ民主共和国、国連人道活動フィールドコーディネーター、97年UNHCRジュネーブUNHCR事務局特別補佐官、首席補佐官、01年UNHCRチーフ・オブ・ミッション、04年国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)、04年国連事務総長副特別代表、10年UNHCR事務局長、16年国連難民高等弁務官、20年第11代国連難民高等弁務官。24年オリンピックローレル受賞。