「国際移住者デー」にあたり、私たちは世界中のコミュニティー、経済、そして国に対する、非常に多くの移住者（移民）の貢献を称えます。しかし今日この日は、偏見や差別から、あからさまな暴力や虐待、人身売買という想像を絶する残酷な行為に至るまで、移住者が直面し得る困難を思い起こす日でもあります。

こうした困難は、分断の種を蒔き、移住者による日々の貴重な貢献を歪めるような、誤情報や偽情報、ヘイトスピーチの増加により、さらに悪化しています。国際社会に生きる私たちは、共通の人間性を呼び起こし、このような有害な傾向を逆転させるよう努めねばなりません。

6年前に採択された「安全で秩序ある正規の移住のためのグローバル・コンパクト」は、その旅のあらゆる段階で移住者を保護し、権利に基づく移住の道を拡大し続けるための具体的な解決策を示しています。

また、最近採択された「未来のための協定」を通じて、世界各国は安全で秩序ある正規の移住のために、国際的なパートナーシップとグローバル協力を強化することを改めて誓いました。今日も、そしていつの日も、すべての移住者の権利のために立ち上がり、安全で人道的で包摂的な移住システムの構築に取り組もうではありませんか。


■　アントニオ・グテーレス
ポルトガルの政治家。第9代国際連合事務総長。同国の首相や社会主義インターナショナル議長、国連難民高等弁務官（UNHCR）等を歴任。96年ブラジル南十字星勲章大十字、97年ポーランド共和国功労勲章大十字、98年ウルグアイ東方共和国勲章大将校、99年メキシコアステカの鷲勲章特別懸章、00年ベルギーレオポルド勲章大綬章、スペインカルロス3世勲章大十字、ギリシャ名誉勲章大十字、01年イタリア共和国功労勲章大十字、01年チリ功労勲章大十字、カーボベルデアミルカル・カブラル勲章1級、16年ポルトガル自由勲章大十字、02年スペインイザベラ・カトリック女王勲章頸飾、ポルトガルキリスト勲章大十字、フランス国家功労勲章大十字、ポルトガル南十字星勲章大頸飾、日本旭日大綬章、チュニジア共和国勲章大綬章、イタリアヤロスラフ賢公勲章1等等を受章。