遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

日本原水爆被害者団体協議会 田中熙巳代表委員

2024年12月24日
ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の田中熙巳代表委員は、ノーベル委員会のフリードネス委員長から「来年受賞させようかと思っていたが、来年の被爆80年運動のためには今年受賞してもらい、世論を大きくして欲しいという思いがあったと伝えられた」と明かした。

また、授賞式の演説で、原爆犠牲者に対して日本政府による補償が行われていないことを2度にわたって言及したことについて「民主主義の国家と国民は対等な関係であるはずなのに、戦争の犠牲は国民が受忍しなければいけないというのは間違っている。世界に向けて、戦争を作らないようにという思いを込めた」と述べた。

田中熙巳代表委員は「80年という時期を大事にし、もっと大きな運動にしていきたい。受賞にあたっては、若い人たちにも被爆者がやってきたことを受け継いで『核のタブー』が壊されることなく、より強固にして欲しい」と運動の参加を呼びかけた。

日本被団協は、1954年のアメリカ合衆国によるビキニ環礁での水爆実験(ブラボー実験)を機に広がった原水爆禁止運動の中、1956年に被爆者の全国組織として長崎で結成された。各都道府県でも被団協が結成され、核兵器の廃絶や被爆者の救済を訴える活動を続けている。


■ 田中熙巳
長崎原爆被爆者。日本原水爆被害者団体協議会代表委員。元東北大学工学部助教授、十文字学園女子短期大学教授、博士(工学)。長年、被爆者運動の中核を担っており、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の事務局長、代表委員として活動。24年ノーベル平和賞受賞(日本原水爆被害者団体協議会)。