赤沢亮正経済再生相は、政府がデフレ脱却宣言を行う時期について「日本経済はデフレ脱却が宣言できる状況に近づきつつあるものの、間違ったタイミングでデフレ脱却宣言をすると財政・金融政策が急変しデフレに逆戻りするリスクがある」と述べた。

その上で、金融政策の変更について「デフレ脱却最優先で、賃上げと投資がけん引する成長型経済という大目的と整合性が取れた形でやっていくことが大事だ」との見解を示した。

赤沢経済再生相は、2％の物価安定目標を目指す政府・日銀の取り組みの現状について「物価上昇率が2.5%や3%ではなく2％に収束しつつあり、賃上げでカバー可能な水準に落ち着いてきている」との考えを示し「いよいよ物価目標を達成しつつある」とも述べた。

デフレ脱却は消費者物価やGDPデフレーターなどの経済指標を基に、物価が持続的に下落する状況に再び戻る見込みがないかを政府が判断して決める。物価目標の達成は、経済・物価の動向と見通しに基づいて日銀が総合的に判断するが、持続的・安定的なプラスの物価を目指す観点で大きな違いはない。両者の時間軸の違いによる経済政策と金融政策の整合性が問われる可能性もある。


■　赤澤亮正
84年東京大学法学部第1類卒業、運輸省入省、89年米国コーネル大学経営大学院留学、91年経営学修士（MBA）取得運輸省航空局監理部国際航空課補佐官（日米航空交渉担当）、96年北海道庁出向（企画振興部交通対策課長）、99年大臣官房文書課企画官（海上技術安全局、日本財団担当）、01年国土交通省大臣官房秘書課企画官。02年大臣官房総務課企画官（総合政策局、国際政策担当）、04年日本郵政公社郵便事業総本部国際本部海外事業部長、05年退官、衆議院議員、12年危機管理・運輸安全政策審議官、国土交通大臣政務官、14年内閣府副大臣、16年衆議院環境委員長、20年内閣府副大臣、23年財務副大臣、24年経済再生担当大臣、新しい資本主義担当大臣、賃金向上担当大臣、スタートアップ担当大臣、全世代型社会保障改革担当大臣、感染症危機管理担当大臣、防災庁設置準備担当大臣、内閣府特命担当大臣（経済財政政策）。