昨年12月19日に肺炎のため98歳で亡くなった渡辺恒雄読売新聞グループ本社代表取締役主筆のお別れの会が、東京帝国ホテル「孔雀の間」で執り行われた。政財界やプロ野球関係者など各界から多数の参列者が訪れ、故人を偲んだ。

お別れの会には、高円宮妃久子殿下と長女承子女王、石破茂首相、岸田文雄前首相、森喜朗元首相、御手洗冨士夫キヤノン会長兼社長CEO（最高経営責任者）、長嶋茂雄読売巨人軍終身名誉監督、王貞治福岡ソフトバンクホークス会長らが参列した。

会場の祭壇には、渡辺主筆の遺影と天皇陛下から贈られた供物料や正三位の位記が飾られ、参列者は献花台に次々と白いカーネーションを供え、遺影の前で手を合わせた。弔辞はなく、会場には、渡辺主筆が生前、自身の葬儀のために選定していたクラシック音楽が流された。

政治部の記者として自民党の大野伴睦初代副総裁や中曽根康弘元総理大臣などの取材を長く担当した渡辺主筆は、最大1000万部の日本最大部数を誇った新聞社経営者にして、戦後直後から政界をはじめ幅広い分野で影響を与えてきた、戦争には断固反対でリベラルともいえるジャーナリストであり続けた。


■ 渡辺恒雄
50年読売新聞社入社、読売ウィークリー配属、68年ワシントン支局長、72年編集局参与、解説部長、75年政治部長兼局次長、77年編集局総務（局長待遇）、79年取締役論説委員長、87年筆頭副社長、91年社長、96年読売ジャイアンツオーナー、99年日本新聞協会会長、05年ジャイアンツ取締役会長、08年旭日大綬章受章、09年麻生内閣安心社会実現会議委員、14年特定秘密の保護に関する法律「情報保全諮問会議」座長、ジャイアンツ取締役最高顧問、16年読売新聞グループ本社代表取締役主筆、25年正三位叙位。