遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

アントニオ・グテーレス 国連事務総長

2025年03月08日
女性と女児に平等な機会の扉が開かれる時、すべての人が勝者となります。平等な社会とは、より繁栄した、より平和な社会であり、持続可能な開発の基盤となります。

今年の「国際女性デー」にあたり、私たちは北京で開催された国連の画期的な第4回世界女性会議以降30年にわたる前進と成果を認識します。この会議は女性の権利を大きく変え、それが人権であることを再確認しました。それ以来、女性と女児は障壁を打ち破り、ステレオタイプに抗い、正当な地位を求めてきました。

しかし私たちは、課題を明確に認識しなければなりません。抵抗から後退まで、女性の人権は攻撃にさらされています。暴力、差別、経済的不平等といった古くからの恐怖が、今も社会を蝕んでいます。

また、バイアスのかかったアルゴリズムなどの新たな脅威が、オンライン空間に不平等を組み込み、新たなハラスメントや虐待の場を開いています。平等な権利ではなく、女性蔑視が主流化しています。私たちはこうした暴挙と闘わねばなりません。

そして、女性と女児のために公平な機会を整えるよう努力し続けなければなりません。私たちに必要なのは、各国が平等に向けて投資できる資金を利用可能にし、そうした投資を優先させる行動、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)における平等な機会を開放し、男女間での賃金格差を縮小し、ケア労働をめぐる課題に対処する行動、女性と女児に対するあらゆる形態の暴力に終止符を打つための法律を強化し、施行する行動、平和構築を含め、意思決定への女性の全面的な参加を確保する行動、

そして、科学・技術・工学・数学の分野における女性と女児に対する障壁を取り除く行動です。国連の「未来のための協定」と「グローバル・デジタル・コンパクト」は、こうした行動の指針となる青写真です。

女性や女児の地位が向上する時、私たち皆が豊かになるのです。共に、すべての女性と女児、そしてあらゆる場所のあらゆる人々の権利、平等、エンパワーメントを実現すべく、断固として取り組もうではありませんか。


■ アントニオ・グテーレス
ポルトガルの政治家。第9代国際連合事務総長。同国の首相や社会主義インターナショナル議長、国連難民高等弁務官(UNHCR)等を歴任。96年ブラジル南十字星勲章大十字、97年ポーランド共和国功労勲章大十字、98年ウルグアイ東方共和国勲章大将校、99年メキシコアステカの鷲勲章特別懸章、00年ベルギーレオポルド勲章大綬章、スペインカルロス3世勲章大十字、ギリシャ名誉勲章大十字、01年イタリア共和国功労勲章大十字、01年チリ功労勲章大十字、カーボベルデアミルカル・カブラル勲章1級、16年ポルトガル自由勲章大十字、02年スペインイザベラ・カトリック女王勲章頸飾、ポルトガルキリスト勲章大十字、フランス国家功労勲章大十字、ポルトガル南十字星勲章大頸飾、日本旭日大綬章、チュニジア共和国勲章大綬章、イタリアヤロスラフ賢公勲章1等等を受章。