遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

レジス・サビオ 赤十字国際委員会(ICRC)アジア大洋州地域局長

2025年05月08日
赤十字国際委員会(ICRC)のレジス・サビオアジア大洋州地域局長は、3月28日午後0時50分(日本時間午後3時20分)頃、ミャンマー中部を震源とするマグニチュード7.7の大地震による被災地支援について「内戦下の国を大規模災害が襲い、多くの人がさらに脆弱な立場に置かれた」と述べ、復興には国際社会の長期的支援が必要だと訴えた。

当局の発表によると、これまでに死者1600人以上、負傷者3400人以上が確認され(日本時間3月30日12時現在)、震源地に近いミャンマー第二の都市マンダレー(人口約150万人)やサガインでは、多くの建物が倒壊しているほか、地方を結ぶ巨大な橋や高速道路などの幹線道路の崩壊も報告されている。

被災地では、余震や建物の倒壊を恐れて、屋外で過ごす住民が多く見られ、緊急避難所の設置が急務となっている。また、マンダレー、マグウェイ、ネピドー、サガインの病院では次々と搬送されてくる負傷者の緊急対応に追われ、医療体制がひっ迫した状況が続いている。

さらに、3日が経った現在も、被災地ではインターネットや電話など、必要なインフラが一部使用できない状態が続いており、気温40℃を超える猛暑の影響も相まって、迅速な救援活動の展開が困難となることも懸念されている。

震源に近いマンダレーなどを4月上旬に訪問したサビオアジア大洋州地域局長は「被災地では内戦で避難民となった人々が地震で再び住居を失い、猛暑の中で屋外での生活を余儀なくされている」と述べ、内戦と災害の「重複」によって住民生活はさらに困窮し、支援の必要性が高まり続けていると指摘した。ミャンマーでは2021年のクーデターで実権を握った国軍と、民主派や少数民族武装勢力など抵抗勢力による内戦が続いている。

 
■ レジス・サビオ
Head of Delegation in Japan, International Committee of the Red Cross (ICRC) スポーツ業界における広報やディレクターを経て、98年ICRCキャリアスタート。パレスチナガザ地区およびアフガニスタンマザリシャリフICRC副代表部代表、コートジボワールICRC代表部副代表、ジュネーブ本部南・中央アジア事業部長、資金調達局課長、世界80カ国以上の活動を統括するICRC事業局副局長、フランス・パリICRC地域代表部(スペイン、ポルトガル、イタリア、ギリシャなど非アングロサクソン系の欧州10カ国を管轄)首席代表、駐日代表、アジア大洋州地域局長に就任。