遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

アントニオ・グテーレス 国連事務総長

2017年04月04日
今日の世界では、紛争が多発しているだけでなく、相互の関連性を強めています。
最も気がかりなのは、多くの紛争当事者が臆面もなく民間人を標的とし、国際人道法を公然と無視していることです。毎年、即席爆発装置(IED)により、数千人の民間人が死傷しています。これら殺傷能力のある爆発物は、家庭や学校に隠し置かれ、現地住民を恐怖に陥れます。

国連とそのパートナーはこれまで20年間にわたり、地雷や爆発性戦争残存物(ERW)が遺棄された広大な地域から、これらを除去してきました。かつては危険で非生産的だった土地が、市民に返還され、コミュニティーの再建を可能にしています。道路や滑走路からの地雷除去により、困窮する人々に対する人道援助の供与もしやすくなりました。国連は被害者に医療援助を提供するとともに、数百万人に対し、紛争中または紛争直後の安全な暮らし方に関する教育も行っています。

私たちは、数千人の男女を訓練し、平和の支援と持続を目指す地雷対策活動で雇用しています。私は、地雷対策によって人命を救っている勇敢な女性と男性に感謝します。
私は「地雷に関する国連システム機関間調整グループ」のニーズに基づく人間中心型のアプローチを称賛します。

そして、設立20年目を迎えた国連地雷対策サービス部(UNMAS)のリーダーシップと勇気、そして平和の実現に向けた決意に拍手を送ります。地雷対策のない平和は、不完全な平和です。

私はすべての加盟国に対し、和平交渉を進めたり、紛争による被害の予防を図ったり、交戦地域に緊急人道支援を展開したりする際、この問題を国際的な最重要課題として取り扱うよう強く訴えます。地雷対策は、恒久的な復興と開発の基盤を確立します。戦闘が終わった後も、死の恐怖におびえながら暮らす人がいてはならないのです。


■ アントニオ・グテーレス
ポルトガルの政治家。第9代国際連合事務総長。同国の首相や社会主義インターナショナル議長、国連難民高等弁務官(UNHCR)などを歴任。