自民党の石破茂前地方創生担当相は、安倍晋三首相が党の憲法改正案（9条1、2項を残した上での自衛隊の明文化）を年内に取りまとめる意向を表明したことに関し、党が既に公表している改憲草案に触れ、「党の草案は長い時間と論争の下にできたものだ。今まで一度も出てきたことのない議論が独り歩きすれば、議論する気が誰もなくなる。やり方として正しいと思わない」と批判した。

24年草案は9条について、戦力不保持の2項を改正し「国防軍を保持する」としている。石破氏は、自衛隊が軍隊かどうかの位置づけを曖昧にしたままの改正には反対であると述べた。

しかし、公明党などの賛同も得るべく現実路線に転換した首相と比べ、石破氏は「国防軍保持」のまま他党の理解を得る目算について言及を避けた。


■　石破茂
衆議院議員（10期）、水月会（石破派）会長。防衛庁長官（第68・69代）、防衛大臣（第4代）、農林水産大臣（第49代）、自由民主党政務調査会長（第52代）、自由民主党幹事長（第46代）、内閣府特命担当大臣（国家戦略特別区域担当）兼地方創生担当大臣等を歴任。