遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

アントニオ・グテーレス 国連事務総長

2017年11月25日
あらゆる女性と女児には、暴力を受けずに暮らす権利があります。しかし、この種の人権侵害はあらゆるコミュニティーで、さまざまに姿を変えて発生し、特に社会から隔絶された弱い立場にある人々が被害を受けています。全世界で、女性の3人に1人以上が一生のうちに何らかの身体的、性的暴力を受け、7億5,000万人の女性が18歳未満で結婚しているほか、女性器切除術の被害者も2億5,000万人を超えています。

女性の権利活動家を標的とする攻撃は、憂慮すべき水準に達し、女性政治家に対する暴力は、女性の市民的、政治的、社会的、経済的、文化的権利の前進を阻んでいます。

嫌がらせや有害な慣行を含め、女性に対する暴力が人権の実現に対する大きな障壁であるだけでなく、持続的な平和への女性の包摂と参加に直接的な挑戦を投げかけていることは、広く認識されるようになりました。私たちがこれに取り組まない限り、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」は決して達成できないでしょう。

私たちにとって、女性と女児に対する暴力に決定的な終止符を打つための一丸となった行動をさらに進めるべき時が来ています。そのためには、私たち全員がそれぞれの国、地域、そしてコミュニティーで同時に、同じ目標の達成に向けて力を合わせなければなりません。

国連は多くの形で女性に対する暴力に取り組んでいます。具体的には、国連女性に対する暴力撤廃信託基金、私たちと各国政府や市民社会の取り組みをつなげるための欧州連合との連携による「Spotlight Initiative[別窓](スポットライト・イニシアティブ)」、そして、「UN Safe Cities and Safe Public Spaces Global Initiative[別窓](国連セーフシティーと安全な公的空間グローバル・イニシアティブ)」が挙げられます。

また、国連におけるセクシャルハラスメントに対する私のゼロ容認方針も、9月に発足した「ジェンダー平等戦略」に組み込まれています。私たちはさらに「団結しよう、女性への暴力を終わらせるために(UNiTE to End Violence against Women)」キャンペーンを「UNiTE by 2030」として続行することも公約しています。

今こそ、世界中の女性と女児が、嫌がらせや有害な慣行、その他あらゆる形態の暴力を受けずに暮らせるようにするため、私たち全員が結束し、行動を起こす時なのです。


■ アントニオ・グテーレス
ポルトガルの政治家。第9代国際連合事務総長。同国の首相や社会主義インターナショナル議長、国連難民高等弁務官(UNHCR)などを歴任。