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遠藤 潔
遠藤潔の活動報告
佐々木毅 第27代東京大学総長
2018年05月18日
第27代東京大学総長の佐々木毅氏は、衆院に小選挙区制を導入した政治改革の旗を振った有識者として、「平成デモクラシー」について語った。佐々木氏は、政治改革はリクルート事件という「政治とカネ」問題と思われがちだが、それ以前の1987年の著書『いま政治に何が可能か』にて自民党長期政権の限界や選挙制度改革に触れていたと述べた。
当時は政官業のトライアングルと呼ばれた「あらゆる個別利益の面倒を見る政治」が台頭し、経済人や有識者の土光臨調が政治に成り代わって行政改革に奮闘した時期である。そのことで、「米国という野党」がプラザ合意による円高や貿易摩擦で揺さぶりをかけていた。
本来の政治改革は、「権力は分散し、政策全体の方向性は共有されず、責任がどこにあるかはっきりしない」統治から「日本全体の方向性に責任を持つ政治の集中化」を目指したのであった。政権交代が可能な小選挙区制と政党への公的助成金をセットに、権力・政策・責任の一体化の主役として「政党にゲタを預けた」改革でもあった。90年代後半は大手銀行が次々に経営破綻したことで金融危機が加速し、国民は「派閥政治の廃止」、「透明性」への志向へ変化することで、利益政治や官主導体制は市場経済の透明性が重要視された。
佐々木氏は、今後の政党「透明性」には二つの答えがあるとした。第1は顔の見えるトップリーダー個人への期待を煽ること。第2は体系的なマニフェスト(政権公約)。政権公約を「政党のガバナンスを整え、アイデンティティーを選挙民に示す」ツールとして重く見る傾向がある。事前運動や文書配布を規制する公職選挙法が、「いつでも衆院解散する余裕のない政治」となっており、「政治改革は頻繁な選挙を前提にしていない」と見直しを訴えた。
■ 佐々木毅
73年東京大学法学博士、65年東京大学法学部助手、68年東京大学法学部助教授、78年東京大学法学部教授、91年東京大学大学院法学政治学研究科教授、98年東京大学大学院法学政治学研究科長兼法学部長、01東京大学総長05年総長退任・東京大学退職、05年学習院大学法学部教授、11年日本学士院会員、13年学習院大学定年退職。88年吉野作造賞『いま政治に何が可能か』、92年東畑記念賞『政治に何ができるか』、99年和辻哲郎文化賞・読売論壇賞『プラトンの呪縛』、05年紫綬褒章、15年文化功労者、18年瑞宝大綬章。
当時は政官業のトライアングルと呼ばれた「あらゆる個別利益の面倒を見る政治」が台頭し、経済人や有識者の土光臨調が政治に成り代わって行政改革に奮闘した時期である。そのことで、「米国という野党」がプラザ合意による円高や貿易摩擦で揺さぶりをかけていた。
本来の政治改革は、「権力は分散し、政策全体の方向性は共有されず、責任がどこにあるかはっきりしない」統治から「日本全体の方向性に責任を持つ政治の集中化」を目指したのであった。政権交代が可能な小選挙区制と政党への公的助成金をセットに、権力・政策・責任の一体化の主役として「政党にゲタを預けた」改革でもあった。90年代後半は大手銀行が次々に経営破綻したことで金融危機が加速し、国民は「派閥政治の廃止」、「透明性」への志向へ変化することで、利益政治や官主導体制は市場経済の透明性が重要視された。
佐々木氏は、今後の政党「透明性」には二つの答えがあるとした。第1は顔の見えるトップリーダー個人への期待を煽ること。第2は体系的なマニフェスト(政権公約)。政権公約を「政党のガバナンスを整え、アイデンティティーを選挙民に示す」ツールとして重く見る傾向がある。事前運動や文書配布を規制する公職選挙法が、「いつでも衆院解散する余裕のない政治」となっており、「政治改革は頻繁な選挙を前提にしていない」と見直しを訴えた。
■ 佐々木毅
73年東京大学法学博士、65年東京大学法学部助手、68年東京大学法学部助教授、78年東京大学法学部教授、91年東京大学大学院法学政治学研究科教授、98年東京大学大学院法学政治学研究科長兼法学部長、01東京大学総長05年総長退任・東京大学退職、05年学習院大学法学部教授、11年日本学士院会員、13年学習院大学定年退職。88年吉野作造賞『いま政治に何が可能か』、92年東畑記念賞『政治に何ができるか』、99年和辻哲郎文化賞・読売論壇賞『プラトンの呪縛』、05年紫綬褒章、15年文化功労者、18年瑞宝大綬章。