遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

加藤丈夫 国立公文書館館長

2018年06月07日
国立公文書館の加藤丈夫館長は、日本の公文書管理について「発展途上段階だ。米国やフランスが成し遂げたレベルに10年以内に追い付きたい。それが国民の行政への信頼につながる。そのためには、相当のエネルギーを使った改革が必要だ」と語った。加藤館長は、財務省の決裁文書改ざん問題などの背景として「公文書は、国民共有の知的資源」とする公文書管理法の基本理念が公務員に浸透していないことがあると指摘した。「省庁幹部にも公文書管理法とは何かをしっかり理解してもらう機会をつくらないといけない」と強調した。

加藤館長は、国立公文書館の文書管理の専門家であるアーキビストは現在30人しかおらず、東京五輪・パラリンピック後に着工を見込む東京・永田町の新館完成までに150人に増員し、中央官庁に各1人、地方にも配置したいと方針を述べた。また、公的な資格制度の導入の必要性にも言及した。

国の省庁は年間約350万冊文書ファイルを作成し、1年~30年の保存期間を設定している。保存期間満了後に廃棄するか、公文書館などに移して保管するのかを決める。その判断の妥当性を内閣府公文書管理課がチェックした後で、国立公文書館が二重にチェックし、年間約5000件について異議を申し立てる。加藤館長は「内閣府公文書管理課は20人体制だが、専門家はほとんどいない」と指摘し、専門家のいる公文書館の役割の重さを強調した。


■ 加藤丈夫
61年東京大学法学部卒業、同年富士電機株式会社入社、89年取締役、98年代表取締役副社長、00年取締役会長等を歴任。労働政策審議会委員、中央労働委員会使用者委員、学校法人開成学園理事長、日本能率協会常任理事、日本経団連労使関係委員長、企業年金連合会理事長、日本年金機構理事、公益財団法人日本オペラ振興会理事、一般社団法人日本工業倶楽部理事などの要職も歴任。