遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

ラフマーニ イラン・イスラム共和国大使

2018年09月12日
7月に駐日イラン・イスラム共和国大使に就任したモルテザ・ラフマーニ・モヴァッヘド氏は、5月にイラン核合意から離脱したトランプ政権を「信用に値しない」と強く非難した。

ラフマーニ大使は、核合意について政治と経済の二つの意味がある。政治的には、米国を除く当事国が「今まで十分に役割を果たしてきた」と評価。一方で経済的には「利益をもたらさないなら、核合意は力を失う。どんな鳥であれ片方の羽だけでは飛べない」と警告した。「各国が米国の圧力に屈することが核合意の死を意味する」と強調し、合意を守るよう当事国に訴えた。

また、米国に対し、環太平洋連携協定(TPP)や地球温暖化対策のパリ協定離脱と同様「国際的責任を欠く」と批判した。米国の制裁への対抗措置としては(1)石油の代価として物品を受け取るバーター取引(2)それぞれの国の通貨での取引(3)決済通貨をユーロとする取引-を考えていることを表明した。日本に対しては、「中東で大きな役割を果たすことを歓迎する」と述べた。

イエメン内戦については「軍事的解決策はないと侵略者たちは理解したはずだ」とした上で、軍事介入しているサウジアラビアに停戦を促した。イランやシリア、イラク、トルコで暮らす少数派クルド人の問題では「外部が処方箋を書いても治療はできない。国の中から変わっていくべきだ」と述べた。イスラエルに関しては「存在自体が世界の脅威だ」と指摘した。


■ モルテザ・ラフマーニ・モヴァッヘド
89年外務省西欧課事務官、90年駐ドイツ イラン・イスラム共和国大使館一等書記官、95年独立国家共同体(CIS)・コーカサス協力本部書記官、98年貿易・非石油部門輸出課長、03年在上海 イラン・イスラム共和国総領事、03年独立国家共同体(CIS)・コーカサス第二課長、05年駐ニュージーランド イラン・イスラム共和国大使、10年外務省国際教育研究センター副センター長、11年文化遺産手工芸観光庁副長官(観光担当)、16年外務大臣顧問兼主席事務官、18年駐日イラン・イスラム共和国大使に就任。