遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

小和田恒 第22代国際司法裁判所所長

2018年09月21日
国際司法裁判所(ICJ、オランダ・ハーグ)の裁判官を退任した小和田恒氏は、官僚の出発点は中学時代の敗戦体験だと振り返り、人生で平和な世界づくりのため法の支配実現を目指す仕事を追求でき「幸せだった」と語った。一方、法の支配を逸脱する傾向を強める大国の行動は「非常に危険」と指摘した。

小和田氏は外務事務次官や国連大使を務めた後、2003年に70歳で国家間の紛争を裁くための国連の主要な司法機関であるICJ裁判官に就任。2009年から3年間は、ICJ所長を務めた。

小和田氏の任期は2021年までだが、ICJに任期途中で退任する意向を伝えていた。高齢や、天皇陛下の2019年4月末の退位後に皇太子さまが即位し、雅子さまが新皇后になられることも踏まえて退任を判断した。

ICJは国連の主要な司法機関で、判決や勧告的意見は権威ある司法的な見解として尊重される。異なる国籍の裁判官15人(任期9年)で構成され、3年ごとに5人ずつ改選される。独立した立場で出身国などの指示を受けてはならない。

小和田恒判事の辞任に伴う補欠選挙が6月国連総会と安全保障理事会で行われ、東京大教授の岩沢雄司氏が当選した。任期は、小和田氏の任期の残りで、2021年2月5日まで。岩沢氏は東京都出身。東大法学部を卒業後、米バージニア大ロースクールで博士号を取得。国際法学会代表理事、自由権規約委員会の委員長を務めている。



■ 小和田恒
60年在ドイツ日本国大使館一等書記官、62年東京大学非常勤講師、65年在ソ連日本国大使館一等書記官、68年国際連合日本政府代表部一等書記官、71年外務省欧亜局大洋州課長、外務大臣秘書官事務取扱、西欧二課課長、72年国際連合局政治課長、74年条約局条約課長、76年福田赳夫内閣総理大臣秘書官、79年在アメリカ合衆国日本国大使館公使、ハーバード大学法学部客員教授、81年在ソ連日本国大使館公使、83年在ソ連特命全権公使、84年条約局長、87年外務大臣官房長、ハーバード大学法学部客員教授、89年OECD日本政府代表部特命全権大使、外務審議官、91年外務省事務次官、93年外務省顧問、94年国際連合日本政府常駐代表部特命全権大使、ニューヨーク大学法学部客員教授、コロンビア大学法学部非常勤教授、97年安全保障理事会議長、98年日本国際問題研究所理事長、世界銀行総裁上級顧問、99年ハーグ国際法アカデミー教授、00年早稲田大学大学院教授、大阪大学大学院国際公共政策研究科客員教授、放送大学教授、ハーバード大学法学部客員教授、FEC評議員会・議長、01年名桜大学客員教授、早稲田大学アジア太平洋研究センター客員教授、02年広島大学学術顧問、「ひろしま平和貢献構想策定」平和政策研究会・ワーキンググループ研究顧問、03年国際司法裁判所(ICJ)判事、06年財団法人大学セミナーハウス顧問、07年広島大学大学院総合科学研究科顧問教授、ライデン大学名誉教授、国際法協会日本支部理事、日本国際法学会名誉理事、米国国際法学会名誉会員、アジア国際法学会理事、万国国際法学会(L'Institut_de_Droit_International)会員、常設仲裁裁判所国別裁判官団判事、09年国際司法裁判所所長、18年国際司法裁判所所長退任。皇太子徳仁親王妃雅子の実父。