遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

番匠幸一郎 第三十五代陸上自衛隊西部方面総監

2019年04月12日
第三十五代陸上自衛隊西部方面総監の番匠幸一郎氏は、日本の防衛について「抑止力だけでなく、事態が起きた時の対処力を整えておくことが重要」と強調し、米軍の知人から教わった言葉を紹介した。「Think unthinkable(考えられないことまで考えよ)」。あらゆることを想定して将来に備える。それが今後を生き抜く知恵だと指摘した。

番匠幸一郎氏は、日本の安全保障環境について「中国、ロシア、北朝鮮という大陸の三つの勢力と対峙している」と述べた上で、日米同盟の重要性を強調した。また、「自衛隊が目指すべきは戦わずして勝つこと。自衛隊は国民と共にある国民全体の財産だ」と述べた。

平成の始まりと重なる東西冷戦の終結は、国際貢献の名の下、自衛隊の任務は「戦地」へと拡大した。平成の時代は、国際情勢に劇的な変化をもたらし、日本の安全保障と自衛隊の在り方を根本から揺るがした。「存在する自衛隊」は冷戦後、危険な任務のために海外に派遣され、ミサイルや核の脅威とも向き合うようになった。

初の戦地派遣となったイラク人道復興支援活動では初代部隊長を務め、イラク派遣を振り返り「ライオン(軍事組織)がロバの仕事(人道活動)をした」と語った。過酷な現地で隊員を統率するために重視したのは「GNN」(義理・人情・浪花節)の合言葉と笑顔を絶やさないことが大切だったとした。


■ 番匠幸一郎
80年防衛大学校卒業(国際関係論専攻)、81年第30普通科連隊に配属、82年富士学校幹部レンジャー課程修了、91年3等陸佐、外務省アジア局北東アジア課、総合商社・丸紅出向、94年2等陸佐、99年1等陸佐、中央資料隊付・アメリカ陸軍戦略大学(United States Army War College)留学、00年陸上幕僚監部防衛部防衛課防衛班長、02年第3普通科連隊長兼名寄駐屯地司令、04年第1次イラク復興支援群長として自衛隊イラク派遣に参加、陸上幕僚監部監理部総務課広報室長、05年陸将補(防大24期一選抜)、西部方面総監部幕僚副長、07年第31代陸上自衛隊幹部候補生学校長兼前川原駐屯地司令、09年陸上幕僚監部防衛部長、11年統合幕僚監部付(東日本大震災二国間(日米)危機対応チームリーダー)、陸将、第3師団長、12年第49代陸上幕僚副長、13年第35代西部方面総監、15年退官、15年丸紅株式会社輸送機グループ顧問、16年国家安全保障局顧問、全日本銃剣道連盟会長などを歴任。