アジアインフラ投資銀行（AIIB）の金立群総裁は、日本の金融機関に対して意欲的に「アジアのインフラ整備に関する投資で幅広い経験を持っている」と語った。

金総裁は「地域のプレーヤーと一緒に協調融資を伸ばしていきたい」と述べた上で、日本の銀行、アジア開発銀行（ADB）や国際協力銀行（JBIC）、国際協力機（JICA）を挙げた。

中国が途上国に過剰に貸し込み、返済が滞る「債務の罠」が問題となっていることに関して、金総裁は返済可能な債務にする必要があるとして「中国と連携を密にしたい国は多数ある」と強調した。

一方、米中間で激化している貿易摩擦については「世界の経済大国間で問題が生じれば、結果的に途上国に影響が出ることは不可避である」と懸念を示した。


■　金立群
アジアインフラ投資銀行(AIIB)初代行長。
80年中華人民共和国財政部入省、87年～1988年アメリカボストン大学大学院経済学部、94年中華人民共和国財政部世界銀行司司長、95年同部長補佐、98年同副部長、88年世界銀行副執行理事、03年アジア開発銀行（ADB）副総裁、13年中国国際金融公司（中国語版）会長、16年AIIB初代行長。