遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

宮野廣 日本原子力学会廃炉検討委員会委員長

2016年03月25日
日本原子力学会廃炉検討委員会委員長の宮野廣氏は「専門知識をもつスタッフが委員を支える体制もできていない」と述べた。米NRCは委員1人に10~20人のスタッフがつき、技術的な検討を経て委員が合議する体制を取っている。一方、日本では5人の委員が縦割りの体制について、「これでは稼働後の検査や事故への対応に懸念が残る」とした。

東京電力福島第1原子力発電所の事故を受け、2012年9月に原子力規制委員会ができた。それまでは原発の推進と規制の両方を経済産業省が担い、規制は形式的だった。

規制委は電力会社や行政からの「独立」を大原則に掲げ、新基準をつくり安全審査を進める。しかし、規制の意味や審査経過を住民に説明する場もほとんどない。宮野委員長は、組織のあり方について不断の議論が必要だと強調した。


■ 宮野廣
71年慶應義塾大学工学部卒、東芝に入社。原子力事業部 原子炉システム設計部長、原子力技師長、東芝エンジニアリング取締役、同首席技監などを経て、2010年法政大学大学院客員教授。日本原子力学会標準委員会 前委員長、日本原子力学会廃炉検討委員会委員長。