遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

アントニオ・グテーレス 国連事務総長

2019年12月01日
私たちが持続可能な開発目標(SDGs)で約束したとおり、2030年までにエイズの蔓延に終止符を打つためには、協調的な取り組みを続けることが必要になります。国連と各国政府、市民社会やその他のパートナーは、人々の医療サービスへのアクセスを拡大し、新規のHIV感染を食い止めるために連携してきました。2018年には、2,300万人を超えるHIV感染者が治療を受けられるようになりました。

世界のあらゆるコミュニティーがこの対応を中心になって進め、人々による権利の主張を支援したり、スティグマに直面する恐れのない医療・社会サービスへのアクセスを促進したり、最も脆弱な立場に置かれ、社会から隔絶された人々にもサービスが届くようにしたり、差別的な法律の改正を強く求めたりしています。今年の「世界エイズ・デー」のテーマがまさに示しているように、コミュニティーこそが世界を変えていくのです。

しかし、まだ満たされていないニーズがあります。HIV感染者は3,800万人と記録的な数に上っている一方で、エイズ対策のための資金は昨年、10億ドルも減ってしまったからです。私たちはこれまでにも増して、仲間の声を代弁し、HIV感染者にサービスを届け、人権を擁護し、支援を提供するコミュニティー主導型組織の役割を生かしていく必要があります。

コミュニティーが参画するところには、変化が起きています。投資が成果をもたらす様子も見られます。そして平等や尊重、尊厳も現実のものとなっています。コミュニティーと力を合わせれば、私たちはエイズに終止符を打てるのです。


■ アントニオ・グテーレス
ポルトガルの政治家。第9代国際連合事務総長。同国の首相や社会主義インターナショナル議長、国連難民高等弁務官(UNHCR)などを歴任。