遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

天野之弥 国際原子力機関(IAEA)第5代事務局長

2019年12月17日
7月に任期途中で急逝した国際原子力機関(IAEA)の天野之弥第5代事務局長をしのぶ会が、帝国ホテル東京で開かれた。会には、日本の政官界関係者、各国外交団、内外の原子力関係者ら約300人が出席し、天野事務局長の死を悼んだ。

安倍晋三首相は挨拶で、核拡散防止や原子力の平和利用普及への天野事務局長の貢献について「日本人として本当に誇りに思う」と強調した。北朝鮮、イランの核問題を念頭に「世界情勢がますます厳しくなる中、天野さんには元気でいて頂きたかった」と述べるとともに「病を得てからも全力投球された姿に頭が下がる。この遺志を受け継いでいかなければならない」と語った。

天野事務局長は外務省入省後、軍縮不拡散・科学部長、在ウィーン国際機関日本政府代表部大使などを経て、2009年に接戦を制して日本人としては初めてIAEA事務局長に選出された。任期中はイランの核開発を凍結する「イラン核合意」の実現で重要な役割を果たした他、原子力技術の民生利用を普及させるためのIAEAの体制強化にも尽力。3期目の任期途上で体調を崩し、今年7月18日に72歳で亡くなった。


■ 天野之弥
72年東京大学法学部卒業、72年外務省入省、93年外務省国際連合局科学課長、93年外務省総合外交政策局科学原子力課長、94年軍縮会議日本政府代表部参事官、97年マルセイユ総領事、99年外務省官房審議官(軍備管理・科学担当)、01年ハーバード大学ウェザーヘッドセンター客員研究員、02年外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官(大使)、04年外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長(大使)、05年在ウィーン国際機関日本政府代表部大使、05年国際原子力機関 (IAEA) 理事会議長選出 議長在任中にIAEAがノーベル平和賞受賞、09年AEA事務局長選出(12月就任)、19年7月死去(72歳没)。