愛知県の大村秀章知事は、抗議が殺到した企画展「表現の不自由展・その後」を開いた国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」に関し「次もつないでやっていきたい。強い希望だ」と述べ、意欲を示した。

トリエンナーレは2010年の開催から今年で4回目となる。不自由展が、元慰安婦を象徴する「平和の少女像」などの出展作品への抗議により、開幕から三日で一時中止されたことについて、大村知事は「意見や立場の違いを認め合う寛容な社会を取り戻したい」と語った。

県が設置した有識者の検討委員会は18日の最終報告で「拡大するネット環境によって社会の二極化や分断の進行があらわになるとともに、いわゆる『反知性主義』の存在が可視化された」と強調した。

大村知事は「異なる意見を認めず、事実と違うことをSNSなどに書き連ねて攻撃することがまかり通る社会になってしまった」と懸念した。また「かつてあった穏健な保守層、右も左も包み込んでいく分厚い市民社会をつくりたい」とした。


■　大村秀章
農水官僚。愛知県知事（公選第17・18・19代）、日本一愛知の会会長（代表）。衆議院議員（5期）、経済産業大臣政務官（第1次小泉内閣）、内閣府大臣政務官（第1次小泉改造内閣）、内閣府副大臣（第1次安倍内閣）、厚生労働副大臣（麻生内閣）、衆議院厚生労働委員会筆頭理事、衆議院決算行政監視委員長、自由民主党愛知県支部連合会会長、同党厚生労働部会長、同医療委員長、同厚生関係団体委員長、（旧）日本維新の会顧問等を歴任。