遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

遠藤寛 第十七代当主遠藤宗家本邸 書斎の間

2018年09月01日
遠藤寛 第十七代当主遠藤宗家本邸の書斎の間は、ルイ15世様式を採用した。18世紀初期〜中頃、フランスのルイ15世(在位1715〜1774年)の時代の建築や家具、装飾などの様式である。

大規模で重厚なバロック様式と比べて小規模で繊細で、特に内装に曲線を多用する繊細で優美、軽やかな装飾が特徴。フランス語で岩を意味する「ロカイユ」やアカンサスの葉などが、モチーフとして多く用いられ、箪笥や肘掛け椅子、ふた付き事務机などのインテリアが製作された。また「ロココ様式」とも呼ばれる。建築物では、ドイツのサンスーシ宮殿がその代表的な建築物である。

装飾題材等の類似から後期バロックの一種ともされ、期間はルイ15世治世の1715年から同74年までとされ、王が成人する23年までの過渡期は別に「レジャンス(摂政)様式」、王の愛妾ポンパドゥール侯爵夫人が発展に寄与した45年以降は「ポンパドゥール様式」と呼ぶ場合がある。また、それら全てを含め「ロココ様式」とも総称されている。

17世紀後期、イタリア発祥の自由豊麗なバロック様式が古典主義的荘重さを持つフランス・バロック(ルイ14世様式)に結実される。そして18世紀初期に、軽快さや繊細さが付加され、ルイ15世様式の源となった。建築家アルドゥアン・マンサールやピエール・ルポートルが設計・改装して1701年に完成したヴェルサイユ宮殿の「牛の眼の窓の間」の装飾がその始まりともされ、その後も明るく軽快な装飾が続けられた。


■ ルイ15世様式
デザインの特徴として、ルイ15世期は新しい内装に合わせた家具が現れ、曲線による動的な外観や軽妙さ、ロカイユ(貝や石)装飾、左右非対称意匠、シノワズリー(東洋趣味)導入等を特徴とする。彫刻等の装飾は前代同様古代由来の物が多く、模様には花や花束、花綱、貝、アカンサスの葉、婦人像、動物、渦巻、唐草、怪獣、東洋風物等がある。家具の種類は、フォトゥーユ(肘掛椅子)、ベルジェール(安楽椅子)、カナペ(長椅子)、デュシェス(寝椅子)、コモード(小箪笥)、ビューロー(書記机)、コンソール(壁面卓)、ダイニングテーブル、ナイトテーブルやゲーム・宝石・化粧・朝食・珈琲用のテーブル、ベッド等がある。