遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

大村智 北里大学特別栄誉教授(ノーベル賞受賞者)

2016年05月25日
ノーベル医学・生理学賞を受賞した大村智・北里大学特別栄誉教授は、「ノーベル賞をいただいた最大の要因は、一期一会を大事にしてきたこと。一見、科学とは関係のないことと思われるかもしれないが、何事も1人ではできない。人々との関わりの中で、研究も仕事も成功に導くことができる」と語った。その上で、「個性を大事にしながら、自身で物事を考え、正しい判断に導いていくことができるように心がけることが大切である」と述べた。

アフリカで年間数千万人が苦しむ感染症の特効薬の発見と開発でノーベル医学・生理学賞を受賞。この特効薬は20数年も前に海外で商品化されており、以降称賛の声は止むことない。

山梨県の農家の長男として生まれた大村教授は、「農業は理科だ。農作業を手伝っていたことが、この道に進んだ原点だ」と話す。その原点からやがて、1グラムの土の中に1億個以上も存在するといわれる微生物の中から世紀の発見につながる“奇跡の微生物”を採取することになった。

「記憶の中で今もきらめく1曲」は、ダーク・ダックスの「シーハイルの歌」。スキー部に所属し、国体にも出場経験のある大村教授が「スキー好きは皆聴いていた」というこの曲との思い出を語った。

アメリカ在住時には、研究費を稼ぐため妻と共に企業を回っては交渉に挑み続けた。二人三脚で歩んだ妻は16年前に他界してしまったが、生前、夫のノーベル賞受賞を確信し、周囲に「必ずノーベル賞をとる」と話していたという。


■ 大村智
日本の化学者(天然物化学)。北里大学特別栄誉教授。2015年ノーベル生理学・医学賞受賞。
勲等は瑞宝重光章、紫綬褒章、文化勲章などを受勲。母校の山梨大学、東京理科大学から特別栄誉博士の称号を授与。