遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

アントニオ・グテーレス 国連事務総長

2020年11月25日
女性と女児に対する暴力は、世界規模の人権課題です。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行(パンデミック)は、あらゆるレベルとあらゆる空間で、あらゆる人による緊急行動を求めるグローバルな緊急事態として、この問題をさらに際立たせました。今回のパンデミックがもたらした社会的、経済的影響により、女性と女児は過度に貧困へと追いやられたほか、暴力を受けるリスクも高まっています。

今年4月、私は国際社会に対し、ジェンダーに基づく暴力という影のパンデミックに明確に終止符を打つべく努めるよう要請しました。私はきょう、この要請を繰り返すとともに、改めて呼びかけたいと思います。

国際社会は、女性と女児の声や経験を聞き、特に暴力の被害者や、交差する複数の形態の差別を受けている女性のニーズを考慮に入れる必要があります。私たちはまた、解決策を探る際に女性のリーダーシップを優先するとともに、男性をこの闘いに巻き込まなければなりません。

行動を起こすためには、危機下で緊急対応者の役割を果たすことが多い女性の権利擁護団体に、予測可能かつ柔軟な資金を提供しなければなりません。健康や社会、司法面での支援を行うために十分な資源と措置が確保され、暴力の被害者がいつでもサービスを受けられるようにすることが欠かせないからです。

こうした措置は、女性に対する暴力が起きた後の対応のみに焦点を絞るべきではありません。社会的な規範と力の不均衡への取り組みなどを通じ、そもそもの暴力の発生を防ぐべきであり、また、警察・司法制度も暴力の実行犯に対する責任追求を強め、不処罰に終止符を打つ必要があります。

今年の国際デーにあたり、ジェンダーに基づく暴力を永遠に根絶するための取り組みを、さらに強化していこうではありませんか。


■ アントニオ・グテーレス
ポルトガルの政治家。第9代国際連合事務総長。同国の首相や社会主義インターナショナル議長、国連難民高等弁務官(UNHCR)等を歴任。96年ブラジル南十字星勲章大十字、97年ポーランド共和国功労勲章大十字、98年ウルグアイ東方共和国勲章大将校、99年メキシコアステカの鷲勲章特別懸章、00年ベルギーレオポルド勲章大綬章、スペインカルロス3世勲章大十字、ギリシャ名誉勲章大十字、01年イタリア共和国功労勲章大十字、01年チリ功労勲章大十字、カーボベルデアミルカル・カブラル勲章1級、16年ポルトガル自由勲章大十字、02年スペインイザベラ・カトリック女王勲章頸飾、ポルトガルキリスト勲章大十字、フランス国家功労勲章大十字、ポルトガル南十字星勲章大頸飾、日本旭日大綬章、チュニジア共和国勲章大綬章、イタリアヤロスラフ賢公勲章1等等を受章。