遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

アントニオ・グテーレス 国連事務総長

2020年12月18日
今年の「国際移住者デー」にあたり、私たちは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行(パンデミック)によって、何百万もの人々が友人や家族から引き離される苦痛と雇用不安、新しく馴染みのない現実に適応する必要性に迫られた、この1年間を振り返ります。これらは、全世界の移民が毎日、経験している感覚です。

多くの課題が突きつけられた今年、私たちは、自分たちのコミュニティーの中で、見えない存在となっていることがあまりにも多い人々にいかに頼っているかも、認識するようになりました。病人や高齢者の介護から、都市封鎖(ロックダウン)の中での食料供給確保に至るまで、移民が危機の最前線に立ち、並外れて大きな役割を果たしていることで、全世界の社会に対するそのさらに幅広い貢献も明らかになったからです。

移民は、私たちの社会に欠かせない存在となっているのと同様、私たちの復興においても中心的な存在とすべきです。私たちは、その法的地位に関係なく、移民があらゆる国のパンデミック対策、特に保健とワクチン接種のプログラム策定の対象に含まれるようにせねばなりません。ヘイトスピーチと排外主義行為は拒絶しなければなりません。そして、所得も法的地位もなく、帰国の手段も持たずに取り残されている移民のために、解決策を見つけなければなりません。

今年の「国際移住者デー」にあたり、パンデミックからの復興の機会を捉えて 「安全で秩序ある正規の移住のためのグローバル・コンパクト」を履行し、人間の流動性について改めて考え、移民が本国と外国で経済を再興できるようにするとともに、さらに包摂的で強靭な社会の構築を目指そうではありませんか。


■ アントニオ・グテーレス
ポルトガルの政治家。第9代国際連合事務総長。同国の首相や社会主義インターナショナル議長、国連難民高等弁務官(UNHCR)等を歴任。96年ブラジル南十字星勲章大十字、97年ポーランド共和国功労勲章大十字、98年ウルグアイ東方共和国勲章大将校、99年メキシコアステカの鷲勲章特別懸章、00年ベルギーレオポルド勲章大綬章、スペインカルロス3世勲章大十字、ギリシャ名誉勲章大十字、01年イタリア共和国功労勲章大十字、01年チリ功労勲章大十字、カーボベルデアミルカル・カブラル勲章1級、16年ポルトガル自由勲章大十字、02年スペインイザベラ・カトリック女王勲章頸飾、ポルトガルキリスト勲章大十字、フランス国家功労勲章大十字、ポルトガル南十字星勲章大頸飾、日本旭日大綬章、チュニジア共和国勲章大綬章、イタリアヤロスラフ賢公勲章1等等を受章。