遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

アントニオ・グテーレス 国連事務総長

2021年01月27日
私たちはきょう、ナチスとその協力者によるホロコーストで組織的に殺害された600万のユダヤ人とさらに何百万もの人々を追悼します。今年の国際デーは、私たちの社会に長らく存在する分断や不公正を明るみに出し、反ユダヤ主義や排外主義の復活を助長している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行(パンデミック)という危機の中で迎えることとなりました。

ホロコーストは、ユダヤ人に対する2千年紀にも及ぶ差別や攻撃、排除、断続的な大虐殺が極致に達した出来事です。これをきっかけに、反ユダヤ主義にははっきりと終止符が打たれるべきでした。しかし、そうはなりませんでした。不幸なことに、反ユダヤ主義はまだしっかりと残っています。今では白人至上主義者とネオナチが復活し、国境を越えた組織化で仲間を集め、ホロコーストを含む歴史を拒絶、歪曲、修正しようとする動きを強めています。

COVID-19のパンデミックはこのような勢力に、宗教、人種、民族、国籍、性的指向、障害者や移民であることを理由に、少数者を攻撃する新しい機会を与えています。私たちはこの動きを止めるため、緊急に力を合わせなければなりません。COVID-19のパンデミックからの復興を考える際には、パンデミックによって露呈した脆弱性や格差に取り組むとともに、私たちに共通の人間性に基づき、相互の絆を強めなければならないのです。

2021年を癒しの年としなければなりません。パンデミックからの癒し、そして、憎悪があまりにも簡単に根を張ってしまうような、私たちの壊れた社会を癒すという意味でもあります。平等で公正、かつ、すべての人の尊厳が確保される世界をつくることこそが、私たちがホロコーストで命を失った人々を想起し、生存者に敬意を表する最善の方法なのです。


■ アントニオ・グテーレス
ポルトガルの政治家。第9代国際連合事務総長。同国の首相や社会主義インターナショナル議長、国連難民高等弁務官(UNHCR)等を歴任。96年ブラジル南十字星勲章大十字、97年ポーランド共和国功労勲章大十字、98年ウルグアイ東方共和国勲章大将校、99年メキシコアステカの鷲勲章特別懸章、00年ベルギーレオポルド勲章大綬章、スペインカルロス3世勲章大十字、ギリシャ名誉勲章大十字、01年イタリア共和国功労勲章大十字、01年チリ功労勲章大十字、カーボベルデアミルカル・カブラル勲章1級、16年ポルトガル自由勲章大十字、02年スペインイザベラ・カトリック女王勲章頸飾、ポルトガルキリスト勲章大十字、フランス国家功労勲章大十字、ポルトガル南十字星勲章大頸飾、日本旭日大綬章、チュニジア共和国勲章大綬章、イタリアヤロスラフ賢公勲章1等等を受章。