遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

ポール・マデン 駐日英国大使

2021年01月28日
4年間の任期を終えて2月に離任するポール・マデン駐日英国大使は、日英を取り巻く安全保障と経済の問題について主に3点を指摘した。

第1は、北朝鮮、中国、ロシアの外交。北朝鮮の核実験とミサイル問題を4年間に渡り懸案していたと明かす一方、英国がAIIB(アジアインフラ投資銀行)への参加について、中国の世界への貢献を期待する表れだったとした。ロシアに関しては、英国に逃れソールズベリーに暮らしていたロシアの元二重スパイ父娘の毒殺未遂事件に触れ、北方領土問題を抱える日本にも対ロ圧力を強めるよう求めた。

第2は、ブレグジットの意義。EU(欧州連合)から抜けてTPP11(環太平洋経済連携協定)入りを目指す意図は、主権国家としてヨーロッパを超えてグローバルに活動の場を広げると明言した。さらにTPPは、高い規律を有していると強調した。

第3は、6月ジョンソン首相が主催するG7サミット(主要国首脳会議)。インド、オーストラリア、韓国の政治指導者を招く意義について、インド太平洋地域へ活動を広げることで、英国の復権を画策する狙いがあると述べた。


■ ポール・ダミアン・マデン
イギリスの外交官。日本駐箚英国特命全権大使。エリザベス女王よりCMG (Order of St Michael and St George ) を授与。80年貿易産業省(現:国際通商省)、82年日本国外務省主催のエッセイ・コンテスト優勝し、初来日、88年日本赴任、経済・貿易政策部一等書記官、96年駐米英国大使館、92年外務省本省欧州連合、環境問題担当、00年駐シンガポール英国副高等弁務官、03年外務省情報副局長、パブリック・ディプロマシー政策担当、04年貿易・対英投資総省(現:国際通商省)出向、05年愛知万博イギリス館チーム、07年駐シンガポール英国高等弁務官、11年駐オーストラリア英国高等弁務官、15年アジア大洋州特別局長、17年日本駐箚英国特命全権大使。