東京都知事選挙が１４日告示されるのを前に日本記者クラブ主催の共同記者会見が開かれ、立候補を予定している４人が首都・東京をどう変革していくかそれぞれが重点として掲げる政策を訴えた。

共同記者会見には、小池百合子元防衛大臣、自民党と公明党が推薦する増田寛也元総務大臣、日本弁護士連合会の元会長、宇都宮健児氏、民進党や共産党など野党４党が支援するジャーナリストの鳥越俊太郎氏の合わせて４人が出席した。

小池氏は「東京オリンピック・パラリンピックの予算が適正かどうかチェックするとともに、女性も男性も子どもも障害者ももっといきいきと働けるまちづくりを進め、目下の課題である待機児童ゼロを目指す」と述べた。

増田氏は「４年で３人の知事が突然辞任した一方で東京には課題が山積している。混乱混迷に終止符、これに務めていきたい」と述べ、待機児童や介護の問題、４年後のオリンピック・パラリンピックへの取り組みなどを進める考えを示した。

宇都宮氏は「都政のいちばんの中心は都民の暮らしを豊かにしていくことだ。待機児童ゼロを実現し、特別養護老人ホームに入れない高齢者を無くしたい。小中学校の学校給食の完全無償化や、返済の必要がない東京都独自の給付型の奨学金も実現したい」と述べた。

また宇都宮氏は、１２日鳥越氏と会談したあと報道各社の取材に対し立候補の取りやめも含めて対応を検討する考えを示していたが、立候補の意志について「これまでに鳥越氏の政策が明らかになっていない。野党４党との間で政策協定があるかどうかも不透明な情勢だ。このような中では今の時点で立候補する意志は変わらない」と述べた。

鳥越氏は「現在の日本、特に東京は『きょうよりあすは悪くなる』という不安が広がっている」として、将来の不安を取り除く施策の一例として、みずからががんを克服した経験を引き合いに「がん検診の受診率を１００％に引き上げて、３人に１人ががんで亡くなっている現状を改善していきたい」と述べた。