遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

アントニオ・グテーレス 国連事務総長

2022年03月21日
「国際人種差別撤廃デー」は、この課題を認識する日であり、緊急の行動を呼びかける日でもあります。人種主義は、あらゆる社会において、制度や社会構造、日常生活を蝕み続けています。依然として、根強い不平等の原動力となっています。

不寛容による影響を受けない国もなければ、憎悪のない国もありません。アフリカ人とアフリカ系の人々、アジア人とアジア系の人々、少数派のコミュニティー、先住民、移民、難民、そしてその他多くの人々すべてが依然として、スティグマ(偏見)や責任転嫁、差別、暴力に直面しています。

今年のテーマ「人種主義に反対する行動のために声を上げよう」は、私たちが声をより大きくし、しっかりと耳を傾け、決定的な行動を取ることを呼びかけています。あらゆる場所における平等と人権を求める運動に連帯し、参画する責任が、私たち全員にあります。不公正を経験している人々の声に耳を傾け、そうした人々の懸念や要求を、差別的な構造を撤廃する取り組みの中心に置かなければなりません。

人種間の平等を実現し、何世紀にもわたる奴隷化と植民地主義の今なお残る遺産を償うためには、補償的正義も極めて重要です。公正な未来を築くには、不公正な過去を改める必要があります。

私たちには、ダーバン宣言と行動計画、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約、人種間の公正と平等のための変革に向けた4項目の課題という、断固とした行動に向けた青写真があります。国連もまた、人種主義への対処に関する自身の戦略的な内部行動計画 に着手しました。

人種主義や人種差別のない世界というビジョンを実現するには、あらゆる社会のあらゆるレベルにおいて、日々の行動が求められます。私たちの共通の人間性を中心に団結し、すべての人の平等、公正、尊厳のために、声を一つにしようではありませんか。


■ アントニオ・グテーレス
ポルトガルの政治家。第9代国際連合事務総長。同国の首相や社会主義インターナショナル議長、国連難民高等弁務官(UNHCR)等を歴任。96年ブラジル南十字星勲章大十字、97年ポーランド共和国功労勲章大十字、98年ウルグアイ東方共和国勲章大将校、99年メキシコアステカの鷲勲章特別懸章、00年ベルギーレオポルド勲章大綬章、スペインカルロス3世勲章大十字、ギリシャ名誉勲章大十字、01年イタリア共和国功労勲章大十字、01年チリ功労勲章大十字、カーボベルデアミルカル・カブラル勲章1級、16年ポルトガル自由勲章大十字、02年スペインイザベラ・カトリック女王勲章頸飾、ポルトガルキリスト勲章大十字、フランス国家功労勲章大十字、ポルトガル南十字星勲章大頸飾、日本旭日大綬章、チュニジア共和国勲章大綬章、イタリアヤロスラフ賢公勲章1等等を受章。