遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

アントニオ・グテーレス 国連事務総長

2022年04月04日
「地雷に関する啓発および地雷除去支援のための国際デー」は、世界から爆発性戦争残存物を除去する取り組みにおいて、私たちがいかに長い道のりをたどってきたのか、そして、未だにいかに長い道のりが残っているのかを思い起こさせます。

ちょうど30年前、市民社会の活動家たちが団結し、地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)を立ち上げました。それから5年ほどで、対人地雷禁止条約への署名が開放されました。

現在、160を超える国々が条約に署名し、地雷はほぼ普遍的に許されないものとなりました。これまでに5,500万個を超える地雷が破壊され、世界の30を超える国々において地雷が除去されたと宣言され、死傷者は劇的に減少しました。

しかし世界には、依然として何百万個の地雷が備蓄されており、50を超える国々にこの忌まわしい兵器が埋められたままとなっています。地雷、爆発性戦争残存物、そして即席爆発装置は、毎年何千もの人々の命を奪い、負傷させ続けており、その多くは子どもたちです。

私たちは、シリア、ソマリア、アフガニスタンからミャンマー、カンボジア、そしてその他の国々に至るまで、爆発物におびえて暮らす人々を守るための取り組みを強化しなければなりません。

ウクライナでは、わずか1カ月の戦争の遺産が、不発弾、地雷、クラスター弾の形となって残り、その対処には今後数十年を要し、銃声が止んだ後も長期間にわたって人命を脅かすことになります。すでに現在も、これらの兵器は緊急人道支援の提供を制限し、人々が安全な場所に避難する上で妨げとなっています。

私は、すべての国々に対し、遅滞なくこの条約に加盟するよう呼びかけます。とりわけ安全保障理事会の常任理事国は、特別な責任を負っています。地雷対策は人類に対する投資です。それは人道支援のための取り組みの前提条件であるとともに、持続的な平和と持続可能な開発の礎です。

今年の国際デーにあたり、過去の前進を足掛かりに、世界から地雷による惨害を完全になくそうではありませんか。


■ アントニオ・グテーレス
ポルトガルの政治家。第9代国際連合事務総長。同国の首相や社会主義インターナショナル議長、国連難民高等弁務官(UNHCR)等を歴任。96年ブラジル南十字星勲章大十字、97年ポーランド共和国功労勲章大十字、98年ウルグアイ東方共和国勲章大将校、99年メキシコアステカの鷲勲章特別懸章、00年ベルギーレオポルド勲章大綬章、スペインカルロス3世勲章大十字、ギリシャ名誉勲章大十字、01年イタリア共和国功労勲章大十字、01年チリ功労勲章大十字、カーボベルデアミルカル・カブラル勲章1級、16年ポルトガル自由勲章大十字、02年スペインイザベラ・カトリック女王勲章頸飾、ポルトガルキリスト勲章大十字、フランス国家功労勲章大十字、ポルトガル南十字星勲章大頸飾、日本旭日大綬章、チュニジア共和国勲章大綬章、イタリアヤロスラフ賢公勲章1等等を受章。