今月で2年の任期を終える日本医師会の中川俊男会長は、コロナ禍での任期について「病床確保が十分にできないこともあり、平時からの備えがなかったのも事実だ」と振り返った。

新型コロナ対応で注力したワクチン接種は「ピーク時は最大1日170万回を達成し、誇りに思う」と強調した。その一方で、病床確保や発熱外来の設置で医療現場が混乱したことについては「平時から備えがなかったのも事実だ」と語った。

また、感染対策について「マスクなどの緩和は少しずつ慎重にやるべきではないかと心配している」と指摘し。感染症の位置づけについて「新型インフルエンザ相当の位置づけなので、柔軟に運用することで十分に対応できると考えている。5類にしていいというのは違うと思う」と見解を述べた。


■　中川俊男
77年札幌医科大学医学部卒業、88年新さっぽろ脳神経外科病院開設、92年日本脳ドック学会幹事・事務局長、94年札幌医科大学大学院博士号（医学）、00年札幌医科大学医学部脳神経外科臨床教授、厚生労働省中央社会保険医療協議会委員、厚生科学審議会委員、社会保障審議会委員、06年日本医師会常任理事、10年日本医師会副会長、20年日本医師会会長第20代会長、22年5月 任期満了に伴う次期日本医師会会長選挙に立候補せず、退任。