遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

アントニオ・グテーレス 国連事務総長

2023年03月08日
「国際女性デー」にあたり、私たちは世界のあらゆる場所の、あらゆる立場の女性と女児たちの功績を称えます。同時に私たちは、彼女たちが途方もない障壁に直面していることも認識しています。

それは、構造的な不公正、疎外、暴力に始まり、彼女たちが真っ先にそして最も深刻な影響を受ける危機の連鎖や、身体や人生に関わる個人の自己決定権の否定にまで至るものです。ジェンダーに基づく差別は、あらゆる人、すなわち女性、女児、男性、男児に害をもたらします。

「国際女性デー」は、行動を呼びかける日です。個人的に多大な犠牲を払いながらも自身の基本的権利を求める女性を支持する行動。性的搾取や虐待からの保護を強化する行動。そして、女性の全面的な参加とリーダーシップを加速させる行動です。

今年のテーマは、ジェンダー平等を推進するためのテクノロジーとイノベーションの必要性を強調しています。テクノロジーは、女性と女児たちに、教育や機会への道を広げることができます。しかしそれはまた、虐待や憎悪を増幅させる目的に利用されることもあります。

今日、科学・技術・工学・数学の分野において、労働人口に占める女性の割合は、3分の1未満です。そして、新たなテクノロジーの開発において、そこに携わる女性が少なければ、始めから差別が織り込まれるおそれがあります。私たちがデジタル格差を解消し、科学技術における女性と女児の割合を高めなければならない理由は、ここにあります。

デジタル世界から女性が排除されていることで、低・中所得国のGDPが過去10年間で1兆ドル押し下げられたと推計されます。行動を起こさなければ、損失は2025年までに1.5兆ドルに膨らむおそれがあります。女性に対する投資は、あらゆる人々、コミュニティー、そして国々を向上させるのです。

各国政府、民間セクター、市民社会全体にわたり、あらゆる場所の女性、女児、男性、男児にとって、より包摂的で公正で豊かな世界を築くために協力しようではありませんか。


■ アントニオ・グテーレス
ポルトガルの政治家。第9代国際連合事務総長。同国の首相や社会主義インターナショナル議長、国連難民高等弁務官(UNHCR)等を歴任。96年ブラジル南十字星勲章大十字、97年ポーランド共和国功労勲章大十字、98年ウルグアイ東方共和国勲章大将校、99年メキシコアステカの鷲勲章特別懸章、00年ベルギーレオポルド勲章大綬章、スペインカルロス3世勲章大十字、ギリシャ名誉勲章大十字、01年イタリア共和国功労勲章大十字、01年チリ功労勲章大十字、カーボベルデアミルカル・カブラル勲章1級、16年ポルトガル自由勲章大十字、02年スペインイザベラ・カトリック女王勲章頸飾、ポルトガルキリスト勲章大十字、フランス国家功労勲章大十字、ポルトガル南十字星勲章大頸飾、日本旭日大綬章、チュニジア共和国勲章大綬章、イタリアヤロスラフ賢公勲章1等等を受章。