遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

鈴木直道 北海道知事 

2023年07月31日
鈴木直道知事は、日本の主要な企業社が出資し先端半導体の国産化を目指す「Rapidus(ラピダス)」(東京)が北海道千歳市に建設する次世代半導体工場の本格稼働時に必要な工業用水の確保について「できるだけ早期に供給方法を決める」と述べ、千歳市などとの調整を加速させる考えを示した。同市などと連携し、国に必要な財政支援を求めていく姿勢も強調した。

トヨタ自動車やNTT、ソニーグループなどが出資する「Rapidus」は、自動運転やAI=人工知能など次世代の産業に欠かせないとされる2ナノメートルの先端半導体を4年後の2027年をめどに量産化することを目指している。しかし、先端半導体の技術開発で日本は大きく出遅れており、現在、主流となっている回路の幅が5ナノメートルから16ナノメートル程度のスマートフォンやデータセンター向けの半導体の開発は、台湾のTSMCや韓国のサムスン、アメリカのインテルなどが先行している。

さらに各社は回路の幅をできるだけ細くして性能を高める「微細化」の技術開発にしのぎを削っており、去年6月にはサムスンが3ナノメートルの半導体の量産を開始したほか、2025年までにはサムスンに加えてTSMCも、2ナノメートルの半導体の実用化を目指す方針を打ち出している。

こうしたなか世界との差を縮めようとRapidusは、半導体の材料に回路を焼き付ける「露光装置」で世界唯一の技術を持つオランダの「ASML」から専用の装置を導入することや、半導体の回路の幅を細かくする技術を持つアメリカのIT大手、「IBM」とパートナーシップを締結し、共同開発を行う。

量産までの総投資額は5兆円規模に達し、政府はすでに試作ラインや技術者育成などに約3300億円の支援を決めている。苫小牧市から石狩市までの一帯に半導体関連企業を集積させる「北海道バレー構想」であるRapidusの工場建設は、北海道で最大の企業進出とされ、進出地の千歳市にとどまらない経済波及効果が期待される。


■ 鈴木直道 
99年東京都庁入庁、08年張市派遣、10年内閣府地域主権戦略室出向、夕張市行政参与、東京都庁退職、11年夕張市長、15年夕張市長(2期目)、19年北海道知事。