遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

アントニオ・グテーレス 国連事務総長

2023年09月26日
「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」にあたり、平和な未来は核の脅威を終わらせられるか否かにかかっていることを、私たちは思い起こします。地政学的な不信と競い合いによって、核のリスクは冷戦期の水準にまで急激に高まっています。その一方で、核兵器の使用、拡散、実験を阻止するために数十年をかけて獲得してきた前進が、帳消しにされようとしています。

この重要な日にあたり、私たちは、核兵器のない世界、そして核兵器の使用が引き起こす人道上の破滅的状況のない世界を実現するという誓いを新たにします。これは、核兵器保有国が軍縮の義務を果たし、いかなる状況下でも決して核兵器を使用しないと誓うことで、この道のりを主導することを意味します。

また、核兵器不拡散条約(NPT)と核兵器禁止条約(TPNW)をはじめとした、核軍縮・核不拡散体制を強化することを意味します。また、包括的核実験禁止条約(CTBT)をいまだ批准していないすべての国が一刻も早くこれを批准し、核兵器保有国がすべての核実験モラトリアムを確実にすることを意味します。さらに、核秩序の進化を考慮することを意味しており、戦略兵器と通常兵器の境界が曖昧性を増すことや、最先端の新興技術と結びつくことへの対処を意味します。

そして何よりも、対話、外交、交渉という、時代を超越したツールを展開して緊張を緩和し、核の脅威を終わらせることを意味します。最近発表した「新たな平和への課題」の政策概要は、加盟国に対し、早急にこの重要な大義の実現を改めてコミットするよう求めています。

核のリスクをなくす唯一の方法は、核兵器を廃絶することです。こうした破壊装置を、今こそ歴史書の中に追いやるために、ともに取り組もうではありませんか。


■ アントニオ・グテーレス
ポルトガルの政治家。第9代国際連合事務総長。同国の首相や社会主義インターナショナル議長、国連難民高等弁務官(UNHCR)等を歴任。96年ブラジル南十字星勲章大十字、97年ポーランド共和国功労勲章大十字、98年ウルグアイ東方共和国勲章大将校、99年メキシコアステカの鷲勲章特別懸章、00年ベルギーレオポルド勲章大綬章、スペインカルロス3世勲章大十字、ギリシャ名誉勲章大十字、01年イタリア共和国功労勲章大十字、01年チリ功労勲章大十字、カーボベルデアミルカル・カブラル勲章1級、16年ポルトガル自由勲章大十字、02年スペインイザベラ・カトリック女王勲章頸飾、ポルトガルキリスト勲章大十字、フランス国家功労勲章大十字、ポルトガル南十字星勲章大頸飾、日本旭日大綬章、チュニジア共和国勲章大綬章、イタリアヤロスラフ賢公勲章1等等を受章。