遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

エロワ・フィリョン 赤十字国際委員会(ICRC)アフガニスタン代表部首席代表

2023年11月28日
赤十字国際委員会(ICRC)のエロワ・フィリョンアフガニスタン代表部首席代表は、アフガニスタンでイスラム主義勢力タリバンへの経済制裁に伴う国際支援の減少に「タリバンが女性を抑圧する中でも、医療分野は女性に教育や労働の機会を提供しており、支援が絶たれれば女性の働く場がなくなる」と訴えた。

アフガニスタンでイスラム主義勢力タリバンが復権した2021年8月の政変から2年超が経過した。人道支援や開発援助を担う国際機関の多くが活動を停止。国際的な制裁により経済状況も悪化する中で、赤十字国際委員会は人道支援以外の事業も含め、人々の支援を続けてきた。

エロワ・フィリョン首席代表は、2022年、23年に比べ事業規模、予算が縮小している状況について「8月からは、病院向けの資金援助もできない状態。これは、アフガニスタンの人々の健康状態の悪化につながる」危機感を示した。

赤十字国際委員会(ICRC)アフガニスタンは世界第2位の規模を誇る活動を40年以上にわたり、困窮しているアフガニスタンの人々の支援に深く関わってきた。ICRCが過去2年間に支援し、大きな成功を収めたプログラムの1つに、病院レジリエンス・プログラムがある。

このプログラムは、2.600万人が暮らすアフガニスタン全土の33病院の10.900人医師、看護師、スタッフの給与を支払っている。このプログラムでは、医薬品やその他の医療用品のほか、電気代、救急車サービス、臨床検査、患者への食事などのランニングコストが支払われている。何百万人ものアフガニスタン人が、支援の恩恵を受けている。


■ エロワ・フィリョン
21年アフガニスタン代表部首席代表、23年任期終了。63年に創設されたICRCは、紛争や武力行為の犠牲になった人々を世界中で保護・支援しています。アフガニスタンにおいても医療のみならず、生活の自立支援、食料・水・避難所の提供、離散家族の連絡回復・再会支援、戦争捕虜や被拘束者の訪問、戦傷外科や障がい者支援、心のケアなど、その活動は多岐にわたる。戦時のルールであるジュネーブ諸条約から人道上の役割を与えられている職員達は、全ての紛争当事者と対話しながら、中立、独立、公平を掲げて現場の人々に寄り添い、人道ニーズに対応している。