遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

アントニオ・グテーレス 国連事務総長

2023年12月10日
「すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である」世界人権宣言第一条冒頭のこの象徴的な一文は、採択された75年前と同様に、今日においても重要です。世界人権宣言はロードマップであり、戦争に終止符を打ち、分断を癒やし、すべての人々の平和と尊厳のある生活を促進します。

しかし世界は、道に迷いつつあります。紛争が激化し、貧困と飢餓が増大し、不平等が深刻化しています。気候危機は、最も脆弱な立場に置かれた人々に最も大きな打撃を与える、人権の危機です。

権威主義が台頭しています。
市民社会スペースは狭められ、メディアはあらゆる方面から攻撃されています。
ジェンダー平等はいまだ遠い夢で、女性の生殖に関する権利は後退しつつあります。

今日、すべての人権を推進し、尊重することが、これまで以上に重要になっています。私たち全員を守る、社会的、文化的、経済的、市民的、政治的権利すべてについてです。世界人権宣言は、緊張の解消や、世界が切望する安全と安定の創出に資する、共通の価値観とアプローチに対する道筋を示しています。

私たちがグローバルな枠組みを21世紀においてより効果的にすべく更新する中で、人権は、比類のない中心的な役割を果たさなければなりません。私は加盟国に、今年の宣言採択75周年と来年の「未来サミット」を機に、世界人権宣言が有する時代を超えた価値観に対してコミットメントを強化するよう呼びかけます。

そして「人権デー」にあたり、私は世界中の人々に、日々、あらゆる場所のあらゆる人々のために、人権を推進し、尊重するよう要請します。


■ アントニオ・グテーレス
ポルトガルの政治家。第9代国際連合事務総長。同国の首相や社会主義インターナショナル議長、国連難民高等弁務官(UNHCR)等を歴任。96年ブラジル南十字星勲章大十字、97年ポーランド共和国功労勲章大十字、98年ウルグアイ東方共和国勲章大将校、99年メキシコアステカの鷲勲章特別懸章、00年ベルギーレオポルド勲章大綬章、スペインカルロス3世勲章大十字、ギリシャ名誉勲章大十字、01年イタリア共和国功労勲章大十字、01年チリ功労勲章大十字、カーボベルデアミルカル・カブラル勲章1級、16年ポルトガル自由勲章大十字、02年スペインイザベラ・カトリック女王勲章頸飾、ポルトガルキリスト勲章大十字、フランス国家功労勲章大十字、ポルトガル南十字星勲章大頸飾、日本旭日大綬章、チュニジア共和国勲章大綬章、イタリアヤロスラフ賢公勲章1等等を受章。