遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

赤根智子 国際刑事裁判所(ICC)所長

2024年06月14日
国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長は、ロシアによるウクライナ侵攻やパレスチナのガザ地区での衝突をめぐり、国家指導者による戦争犯罪などの疑いが持たれている現状について「世界中の主要国等で戦争が起き、その中で沢山の戦争犯罪や人道に対する罪が起きている。ICCの信念である法の支配や不処罰の撲滅を貫いていくことが、困難な時代である」と述べた。

また、ロシアがプーチン大統領に逮捕状を出したICCの関係者を指名手配するなど、ICCがさまざまな圧力を受けていることについて「ICCの職員、裁判官一同、屈してはならないという気持ちで毎日の裁判業務に向きあっている」と語った。「ICC設立条約の締約国となった国々には、ICCを守る責任がある。ICCが潰されたら、世界で恒久的な刑事裁判所は二度と生まれない」と指摘した。

その上で「ICCが独立した中立公正な裁判所であり、そこでの司法判断は尊重すべきだという空気が各国に広がることが、政治的な圧力に対する抑制になる。それこそが、法の支配を標榜する日本の役割でもある」と強調し、日本をはじめ各国にICCの活動への理解と支持を訴えた。

国際刑事裁判所(ICC)は、1998年7月17日国際連合全権外交使節会議において採択された国際刑事裁判所ローマ規程(ローマ規程または、ICC規程)に基づき2003年3月11日オランダのハーグに設置された国際裁判所である。国際関心事である重大な犯罪について責任ある「個人」を訴追・処罰することで、将来において同様の犯罪が繰り返されることを防止することを目的としている。日本は2007年7月17日加入書を国連に寄託し、同年10月1日正式に105か国目の締約国となっている。


■ 赤根智子
79年司法試験合格、80年東京大学法学部卒業、司法修習生(34期)、82年検事任官(横浜地方検察庁)、99年東京地方検察庁検事、00年札幌地方検察庁検事・同公判部長、02法務省法務総合研究所国際連合研修協力部(教官)、国連アジア極東犯罪防止研修所次長兼任、05年名古屋高等検察庁検事、名古屋大学大学院法学研究科教授、中京大学大学院法務研究科教授、08年東京高等検察庁検事、09年大阪高等検察庁検事、法務省法務総合研究所国際協力部長、10年最高検察庁検事、函館地方検察庁検事正、13年最高検察庁検事、法務省法務総合研究所国際連合研修協力部長、国際連合アジア極東犯罪防止研修所所長兼任、14年法務省法務総合研究所所長、16年外務省国際司法協力担当大使兼任、最高検察庁検事、24年国際刑事裁判所所長。