遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

スブラマニヤム・ジャイシャンカル インド外相 

2024年07月29日
日米豪印の枠組み「クアッド」外相会合出席のため来日したインドのスブラマニヤム・ジャイシャンカル外相は、2020年に中国との国境地帯で起きた武力衝突以降、中国と緊張関係が続いていると述べた上で、問題は「中印2国間で解決する」と語った。インドと中国はヒマラヤ地域の国境を巡って争っており、両国軍の衝突ではインド側に少なくとも20人、中国側に4人の死者が出た。

両外相はアスタナで開催された上海協力機構(SCO)首脳会議の合間に会談した。声明によると「国境地帯の現状を長引かせることは、どちらの利益にもならない」との認識で一致した。残された問題をできるだけ早く解決するために、外交・軍事当局者間の対話を強化することで合意した。

ジャイシャンカル外相は「過去に両政府が合意した2国間協定、議定書、了解事項を完全に順守することの重要性を再確認」した。また、ラダック東部からの完全な撤退と両国関係の正常化に向けた努力を強化することを強調した。

クアッド外相会合には、上川陽子外相、ブリンケン米国務長官、ウォンオーストラリア外相、ジャイシャンカルインド外相が参加した。共同声明では、インド太平洋地域の持続可能な開発、安定および繁栄を支援するため、重要・新興技術、サイバーセキュリティー、気候変動などでの協力を改めて確認した。

また「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」を通じたASEANとの協力を強化するとも記載した。その他、信頼され安全で強靱な電気通信ネットワークの発展の重要性を説き、サプライヤーの多様化、オープン無線アクセスネットワーク(RAN)の推進などを確認した。尚、次回のクアッド首脳会合は2024年後半にインドで、外相会合は2025年に米国で開催予定となっている。


■ スブラマニヤム・ジャイシャンカル
77年インド外務省入省、モスクワ、コロンボ、ブダペスト、東京のインド大使館での勤務を経て、00駐チェコ大使、07年シンガポール高等弁務官、09年駐中国大使、13年駐米大使、15年外務次官、18年タタ・サンズ社グローバル・コーポレート・アフェアーズ部門プレジデント、19年外務大臣、インド国家勲章「パドマ・シュリー」受章。